Siri Recap・Live Rewind と Ayumi の違い
Apple Watch Series 12 と Apple Watch Ultra 4 には、2つの Audio Intelligence 機能 Siri Recap と Live Rewind が追加されます。どちらも手首で音声をテキストにする機能なので、「では Ayumi はどう違うのか」という疑問が出てくるのは自然です。
ひとことで言えば、解決しようとしている課題が違います。Siri Recap と Live Rewind は忘れるために作られています。短い要約や15秒分のスニペットだけを残し、音声は捨てます。Ayumi は残すために作られています。あなた自身の言葉を、まるごと、あなたが所有するファイルとして残します。
Siri Recap と Live Rewind でできること
Section titled “Siri Recap と Live Rewind でできること”Siri Recap は、スケジュールに従って、または手動でオンにしたときに、周囲の会話をアンビエントに聞き取ってメモを取り、短く大まかな要約を作ります。文字起こしは作りません。音声は保護されたバッファ内で処理されたあと削除されるため、あとから聞き返せる録音は残りません。要約は Siri アプリの「Recaps」タブに表示され、保存またはエクスポートしない限り 7日後に削除されます。
Live Rewind は、Digital Crown をダブルプレスすると直前 15秒の発話をテキストで表示します。「いま何て言った?」を確かめるための機能です。保存しなかったスニペットは、画面が暗くなってしばらくすると消えます。
どちらの機能も発言者を区別しません。また Apple は、どちらも不完全または不正確な場合があると注意書きしています。
Ayumi でできること
Section titled “Ayumi でできること”Ayumi は音声日記アプリです。自分で録音を始めて話すと、その録音がジャーナルエントリーになります。
- 文字起こしは全文が残ります。 オンデバイス文字起こしは逐語の文字起こしを書き出します。要約するプロファイルを自分で選ばない限り、内容が削られることはありません。
- 音声も残ります。 録音はエントリーに添付されたままなので、聞き返したり、あとから別のエンジンで文字起こしし直したりできます。
- すべてがあなたのファイルです。 各エントリーは自分で選んだフォルダーにある Markdown ファイルです。有効期限もアカウントもありません。詳しくは コンセプト を参照してください。
| Siri Recap | Live Rewind | Ayumi | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 会話の要点を覚えておく | 聞き逃した一言を確かめる | 自分の考えをまるごと残す |
| 聞き取る対象 | 周囲の会話 | 直前 15秒の発話 | 録音中に自分が録ったもの |
| 始め方 | スケジュール(時刻・場所)または手動でオン | Digital Crown をダブルプレス | Record のタップ、Siri、コンプリケーション、アクションボタン、ショートカット |
| 出力 | タイトルと要点(文字起こしなし) | 15秒分のテキスト | タイトル付きの逐語の文字起こし、またはプロファイルの指示どおりの内容 |
| 元の音声 | 処理後に削除 | 残らない | エントリーに添付して保持 |
| 保持期間 | 保存・エクスポートしない限り 7日 | 保存しない限り画面消灯後に消える | 自分で削除するまで |
| 保存先 | Siri アプリ(iCloud でエンドツーエンド暗号化して同期) | 保存した場合のみ Siri アプリ | 自分のフォルダーまたは iCloud Drive 上の Markdown ファイル |
| 処理 | iPhone で文字起こし・圧縮し、Private Cloud Compute で要約 | Apple Watch と iPhone。Siri に尋ねた場合は Private Cloud Compute | 既定はオンデバイス。クラウドエンジンは自分の API キーと同意がある場合のみ |
| 話者ラベル | なし | なし | Gemini Transcribe、Muse Voice Transcribe、xAI Grok で利用可能 |
| 編集・再利用 | Siri アプリで編集、メモやジャーナルへエクスポート | 保存、または Siri に質問 | プレーンな Markdown。Obsidian、エディタ、任意の AI ツールで開ける |
| 対応デバイス | Series 12 または Ultra 4 と iPhone 16 以降 | Series 12 または Ultra 4 と iPhone 16 以降 | iPhone(iOS 26 以降)と Mac(macOS 26 以降)。Apple Watch は watchOS 10 以降 |
本質的な違い:要約か、自分の言葉か
Section titled “本質的な違い:要約か、自分の言葉か”要約は、あなたの話を誰かが読み取ったものです。自分が参加した会話で結論を思い出したいときには役に立ちます。一方で、自分自身の思考を残したいときにはあまり向きません。そこでは、言いかけの一文や脱線、正確な言い回しこそが残す価値のある部分であることが多いからです。
Siri Recap は、意図的に元の情報が残らないよう設計されています。音声も文字起こしも残らず、圧縮された要約だけが残ります。周囲の人の会話をアンビエントに聞き取る機能としては、強いプライバシー上の選択です。ただしその結果、要約を実際の発言と照らし合わせることも、あとから別の観点で読み直すこともできません。
Ayumi は、より狭い用途に対して逆の立場をとります。頼まれたときにしか聞かず、聞いたときにはすべてを残します。1年後のあなたや、あなたがジャーナルを渡す AI ツールが、元の言葉から考え直せるようにするためです。
プライバシー:2つの方向からのアプローチ
Section titled “プライバシー:2つの方向からのアプローチ”どちらもプライバシーを重視していますが、守り方が違います。
- Siri Recap は「残さない」ことで守ります。 生の音声は保存されず、文字起こしも作られません。要約からは金融情報や識別番号などの機微な情報が除かれ、保存しなかった要約は 7日で消えます。
- Ayumi は「手元に置く」ことで守ります。 録音と文字起こしは自分のデバイスか、自分の iCloud Drive フォルダーに残ります。Ayumi にはサーバーもアカウントもありません。文字起こしは既定でオンデバイスで行われ、音声がデバイスの外に出るのは、自分の API キーでクラウドエンジンを選び、同意したときだけです。
| 場面 | 向いているもの |
|---|---|
| 相手がいま言ったことを聞き逃した | Live Rewind |
| 何も録音せずに、1日の会話の要点だけ把握したい | Siri Recap |
| 散歩しながら考えごとを声に出して、一言残らず残したい | Ayumi |
| 何年も読み返し、検索できる音声日記をつけたい | Ayumi |
| あとで自分の言葉を AI ツールに渡したい | Ayumi(プレーンな Markdown、全文の文字起こし) |
| 実際に何と言ったかを正確に確かめたい | Ayumi(音声が残っている) |
両者は併用もできます。ジャーナルやメモにエクスポートした Recap で何があったかを思い出し、そのあと Ayumi で短く録音して、それについて自分がどう考えたかを残す、という使い方です。
Apple Watch で Ayumi を始める
Section titled “Apple Watch で Ayumi を始める”Ayumi の Apple Watch アプリは、watchOS 10 以降のどの Apple Watch でも、Ayumi を入れた iPhone とペアリングしていれば使えます。Series 12 は必要ありません。手首で録音すると、iPhone が文字起こししてジャーナルに残します。詳しくは Apple Watch と 音声録音・文字起こし を参照してください。
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Ayumi Journal 編集部: note · X (@AyumiJournalApp)